令和3年1月18日
新型コロナウイルス感染症では急性嗅覚障害、味覚障害の症状がでやすいとわかっております。
ヨーロッパにおける他施設共同研究では、新型コロナウイルス感染症患者1363人のうち74.2%に嗅覚障害、45.8%に味覚障害が発生すると報告されました。
症状の軽い軽症患者さんに限れば嗅覚障害の発生率は85.9%と驚くほどの高さです。
流行している型や人種差があるためこれがそのまま日本人に当てはまるかはわかりませんし、日本ではそこまで嗅覚障害の合併はしていない印象ですが、令和3年1月の段階で急性の嗅覚味覚障害が出現した場合、新型コロナウイルス感染症の可能性を考える必要があります。
もし急性の嗅覚味覚障害を感じるようでしたら当院にまず電話でご相談ください。対応について相談させて下さい。
高熱や息苦しさ、ひどい咳などが合併されている場合は緊急度が高く、クリニックでの診療は妥当ではないので救急車を要請するなどの命を守る行動をお願いいたします。
また新型コロナウイルス感染症から回復された患者さんについてですが、嗅覚障害発生後60日経過時点で24.5%の患者さんに嗅覚障害が残存していると報告されてます。治療としては内服薬と嗅覚トレーニングが提案されると思いますのでお困りの方はご相談ください。
参考文献
JR.Leichen et al:Prevalence and 6-month recovery of olfactory dysfunction: a multicentre study of 1363 COVID-19 patients. Journal of Internal Medicine 2021
https://doi.org/10.1111/joim.13209












